April 25, 2010

公開!マニフェスト検討会議(第3回)「地域活性化」~宇和島が輝きを取り戻す日~

昨夏の衆議院総選挙の後も引き続き、生まれ故郷の愛媛県南予地方で活動を続けてきました。今回、参議院全国比例区での闘いとなるのですが、地元・宇和島の支援者の方からは「応援するのはよいが、宇和島のために何をするか、きちんと言ってくれ」とのご意見をよくいただきます。そこで、今回の「公開!マニフェスト検討会議」では、「地域活性化」について、僕の地元・宇和島を例にお話したいと思います。

(桜内)昨夏の衆議院総選挙で僕は無所属・みんなの党推薦という立場で闘ったので、独自のマニフェストを掲げていました。マニフェストは大きく二つに分かれており、①地元・愛媛県南予地方の活性化策、②国レベルの政策課題(財政・金融政策や社会保障政策など)について、私見を示していました。ぜひ僕のホームページで詳細についてもご覧いただきたいのですが、「地域活性化」に関する項目としては、以下のものを掲げています。

「地域経営力」のある南予にします!

  • 政治家には「経営力」が必要です
  • 地方自治体にも「経営」を導入しよう
  • 商工会議所、農協、漁協の機能を転換

農林水産業に夢の持てる南予にします!

  • 農林水産業をグレードアップする
  • 「農地利用法」改革
  • 販路開拓と価格の安定

投資と人が集まる南予にします!

  • 魅力ある地域にするため物価を下げよう
  • 投資の受け入れが可能な地域になろう
  • 観光資源はまだまだ眠っています

(友人A)なるほど。昨年の段階で既に相当具体的な地域活性化策を提示していたんですね。知りませんでした。

(桜内)宇和島だけでなく、南予一円の同年代の友人と議論を重ねて作り上げたマニフェストですので、今でも通用する中身だという自負はあります。ただ、約2年間にわたり無所属という立場で地を這うような「どぶ板」活動を続けてきたのですが、なかなかこうした理屈っぽい話にご理解をいただくのは難しかったなぁ・・と感じています。

(友人C)「宇和島が輝きを取り戻す日」を一日も早く実現するためには、どういった政策が重要でしょうか?

(桜内)やはり地域経済を活性化させるカギは、ヒト、カネ、情報が集まってくるような「仕組み」づくりにあると思います。でも、政治家がそのような「仕組み」を法律として整備していくだけでは不十分だということも実感しています。

(友人D)ヒト、カネ、情報が集まる「仕組み」づくりだけでは不十分・・とすると、何が欠けているのでしょうか。

(桜内)ヒト、カネ、情報が集まる「仕組み」は、公共交通網や法制度といった経済発展のためのインフラです。そのインフラの上で実際に経済活動を行う人々の意識こそ、地域経済の活性化を本当に実現できるか否かを決定するのです。

Continue reading "公開!マニフェスト検討会議(第3回)「地域活性化」~宇和島が輝きを取り戻す日~"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

April 13, 2010

公開!マニフェスト検討会議(第2回)「保守主義」

(桜内)今回は、政治理念としても重要な「保守主義」についてお話したいと思います。

(友人A)前回の「デフレ脱却」も大きなテーマでしたが、今回の「保守主義」もまた非常に大きなテーマですね。

(桜内)この「公開!マニフェスト検討会議」の連載企画では、まずは僕自身の政治理念や政治的方向性を明確に打ち出したいと考えています。そして、読者の皆さんとの議論の中で、具体的な政策やマニフェストを練り上げていければ最高ですよね。

(友人A)さて、最初の質問ですが、これまで自民党が「保守」、旧社会党が「革新」というイメージを持っていたのですが、自民党を離党した渡辺喜美さんが代表を務めるみんなの党に属する桜内さんは、ぶっちゃけどうなんですか?

(桜内)僕は、政治家を志す者として、日本の歴史・伝統に基づく「保守主義」の政治を目指したいと考えています。そして、日本の未来を切り拓くためにも、日本の歴史・伝統に学ぶとともに、秩序ある自由な社会を「保守するための改革」を実現しなければならないと考えています。

(友人B)とすると、そもそも「保守」って何なのかな?

(桜内)僕はアメリカに留学していた頃に政治学を勉強していたのですが、英米流の政治思想としては、保守主義とは、秩序ある自由な社会を「保守」するため、社会で積み重ねられた伝統を尊重することを意味します。つまり、歴史の選択に耐えてきた伝統こそが自由と自由とのぶつかり合いを調整する秩序を生み出し、それにより真の意味で自由な社会を「保守」することができると考えるのです。

(友人C)歴史や伝統を尊重するということは、改革を否定し、単なる現状維持につながる恐れもあるんじゃないですか?

(桜内)確かに保守主義は、伝統を尊重し、過去と現在との歴史的結びつきを重視します。しかしそれだけでなく、未来に着実に進んでいくためには、歴史から学び、自らを改革しなければならないと考えるのです。イギリスの近代保守思想の祖と呼ばれるエドマンド・バークは、未来に目を向けて「保守するための改革」を主張しました。盲目的に過去の社会体制に憧れ、単なる現状維持を求める「守旧」ではなく、真の意味で自由な社会を「保守」するためにこそ、改革が必要だと考えるのが保守主義なのです。

(友人D)なるほど。規律ある自由な社会を保守するための改革を目指すのですね。

(桜内)今、僕たちが未来に目を向け、より良い日本の国家、社会を創っていこうとするとき、そのような日本の伝統の中で何を「保守」し、何を「改革」すべきなのかを見極める目ヂカラを発揮しなければなりません。

(友人E)政治理念としての保守主義についてはよくわかりました。では、保守主義から導かれる具体的な政策としてはどのようなものがありますか?

Continue reading "公開!マニフェスト検討会議(第2回)「保守主義」"

| | Comments (4) | TrackBack (1)

April 11, 2010

補足説明 公開!マニフェスト検討会議「デフレ脱却」2

前回のブログ記事「公開!マニフェスト検討会議(第1回)『デフレ脱却』」には何人かの方々からコメントを頂戴し、誠にありがとうございました。またツイッターでのコメントもいただいたのですが、何しろ140文字では十分に回答もできないので、ブログで少し補足説明をしたいと思います。

ネット上のリフレ議論では、「ヘリマネ」、「インタゲ」という略称がよく使われるようです。僕の理解では、いわゆる「リフレ派」と呼ばれる人たちのロジックは以下のようなものです。

1. 中央銀行による政府債務の貨幣化(日銀による国債の買入を増やす)
 ↓↓
2. 「マネタリーベース」(≒日銀の負債)が増加
 ↓↓
3. 将来のインフレ期待
 ↓↓
4. 世の中で流通するお金の総量「マネーストック」が増加
 ↓↓
5. デフレ脱却、インフレへ

「ヘリマネ」とは、ヘリコプターからお金(マネー)をばら撒くように、世の中に流通するお金の総量「マネーストック」を増やすことができるという考え方です。そのロジックが成り立つためには、上記1.から5.のすべてが成り立っていなければなりません。ところが、ネット上での議論でもよく指摘されているように、ボトルネックとなるのが上記3.の将来のインフレ期待をどうやって人々に持ってもらうのか、ということです。

このボトルネックを乗り越えるために、「インタゲ」すなわちインフレーション・ターゲティング(インフレ目標)を政府と日銀で共有すべきだという主張がなされるわけです。

これに対して、僕が前回のブログ記事「公開!マニフェスト検討会議(第1回)『デフレ脱却』」で提示したのは、「リフレ派」のいう「ヘリマネ」や「インタゲ」とはまったく異なるロジックです。

1. 日銀がコントロールできるのは「マネタリーベース」(≒日銀の負債)のみ
 ↓↓
2. デフレ脱却のためには、世の中で流通するお金の総量「マネーストック」そのものを増加させるほかはない
 ↓↓
3. 社会会計上、世の中で流通するお金の総量「マネーストック」を増加させる手段は二つ(これらは平時でも行われている)
 ↓↓
4.一つが、預金金融機関(銀行)の貸出を増加させること、そのためには民間投資を促進する法人税減税や規制緩和が必要(消費が増えても国富を食いつぶすだけ)
 ↓↓
5. もう一つが、中央銀行による政府債務(または純資産)の貨幣化、そして政府支出によってそのマネーを直接市中で流通させる
 ↓↓
6. デフレ脱却、インフレへ

前回のブログ記事で提示したのは、上記3.から5.の政策です。また、上記5.に該当する経済復興基金50-100兆円というのは規模が大きいのですが、中央銀行が引受けるのはあくまでも基金の発行する「出資証券」であり、政府債務ではないというのがミソです。

本来、「マネタリーベース」(≒日銀の負債)と世の中で流通するお金の総量「マネーストック」との間には貨幣乗数という関係があります。しかし、その貨幣乗数自体、安定的なものではありません。例えば2000年代前半に日銀が採用していた量的緩和政策(超過準備ターゲット)では、マネタリーベースを構成する準備預金を増やせば増やすほど貨幣乗数が低下する=世の中で流通するお金の総量「マネーストック」はまったく増えないという関係が見て取れます。

社会会計の分野では、世の中で流通するお金の総量「マネーストック」そのものをどうコントロールするのか、ということが議論の中心となります。そしてその手段は二つ、金融機関の貸出の増加、そして中央銀行による貨幣化を伴う政府支出しかない。それらをどう組み合わせるのかによって、GDP、国富(一国全体の純資産)、マネーストックなどへ波及効果が左右されるのです。

このように、いわゆるリフレ議論とは異なるロジックによる成長戦略を提示したつもりです。確かに、ツイッターのように僅か140文字という制限があるとロジックそのものに何らかのレッテルを貼って「つぶやき」をやり取りするしかないのですが、この補足説明がみなさんのご理解の一助となればとなれば幸いです。

【補足説明】の補足

安定した経済状況であれば、民間活力による投資の促進+銀行貸出の増加という方法によって、世の中で流通するお金の総量「マネーストック」を増やすというのが成長戦略の王道ともいえます。しかし現在の日本経済は、いくら金利を下げても投資が増えない「流動性の罠」に陥っています。そこで、直接、市中にマネーを注入するもう一つの方法、中央銀行による貨幣化を伴う政府支出が必要とされるのです。

なお、日銀が継続的かつ定量的に国債の買切りオペを行うことによって同様の経済効果が生じます。日銀による国債の買切りオペは従来から実施されてきた政策でもあり、これをリフレ政策と呼ぶかどうかは別として、今さらとりたてて目くじらを立てるべきものとは思われません。「流動性の罠」から脱却し、経済を通常軌道に戻すためにも、従来よりも大規模なマネーの市中への直接注入、すなわち中央銀行による貨幣化を伴う政府支出が政策オプションとして検討されるべき時期に来ているのは確かだと思います。

| | Comments (3) | TrackBack (0)

April 07, 2010

公開!マニフェスト検討会議(第1回)「デフレ脱却」

これから週2回(あくまでも目標)、全10回程度にわたってブログ上で「公開!マニフェスト検討会議」という企画を始めます。読者の皆様との双方向の議論を通じて、僕自身の政策や政治理念をお伝えするとともに、夏の参議院選挙に向けたより良いマニフェスト作りに役立てることができれば・・と考えています。

やや複雑で敬遠されがちな政治経済の問題についても、対談形式でわかりやすく解説を加えていくつもりです。ブログというメディアの特性から専門的な議論と比べると荒っぽいところも多々あろうかとは思いますが、みなさん、遠慮なく奮ってこの議論に参加してみてください。

さて、第1回目のテーマとして「デフレ脱却」という喫緊の課題に焦点を当てたいと思います。ネット上の議論でも「リフレ議論」は何度も繰り返されてきましたし、経済学者の間でも一致した見解がなかなか見出せない分野です。

(桜内) まず、本題の「デフレ脱却」や「成長戦略」の話に入る前に、一国経済全体のお金の流れや資本蓄積を分析するためのツール、「社会会計」というものに触れておきましょう。「社会会計」とは、日本経済という一国のすべてのお金の循環や企業の生産活動、家計の消費などについて複式簿記で記録する手法で、マクロ会計とも呼ばれます。GDPを測定するための国民経済計算体系(SNA: System of National Accounts)というのもその一つです。

(友人A)桜内さんの専門でもある公会計とは関係あるんですか?

Continue reading "公開!マニフェスト検討会議(第1回)「デフレ脱却」"

| | Comments (1) | TrackBack (0)