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January 07, 2010

民主党政権の「新成長戦略」について

昨年末(平成21年12月30日)、民主党政権による「新成長戦略(基本方針)」が閣議決定された。その内容はあまりにお粗末で、とても「成長戦略」の名に値しない。これでは民主党政権が続く限り日本経済の復活はないと断言せざるを得ない。

あきれて物が言えないところだが、気を取り直して若干のコメントを試みる。

「新政権の誕生は、国民のための経済の実現に向けて舵を切る、100 年に一度のチャンスである。」

政権交代による政治の枠組みの変化自体が日本経済に良い結果をもたらすとは限らない。政権交代後、既に100日以上経過しているのに浮かれている場合ではない。

「私たちは、公共事業・財政頼みの「第一の道」、行き過ぎた市場原理主義の「第二の道」でもない、「第三の道」を進む。それは、2020 年までに環境、健康、観光の三分野で100 兆円超の「新たな需要の創造」により雇用を生み、国民生活の向上に主眼を置く「新成長戦略」である。」

世の歴史に新しきものはない(例えば、ニューエコノミー論)。成長はアニマルスピリットによる民間投資が牽引するのが常。内需拡大を単なる消費拡大だと勘違いすると、所得も増えないのに貯蓄を取り崩し、国全体の資本(国富)を食い潰すことになる。

「新たな需要の創造」は、国民所得の増加による購買力の向上なくして実現しない。国民所得を増加させるには、付加価値(利益)を生み出す民間投資=供給力の増強が必要。

「需要」や「雇用」を重視するとしても、付加価値(利益)を生み出す企業活動に対する制約(例えば、公開会社法)を強化するならば、かえって「金の卵を産む鶏」を殺してしまうことになる。

「総合的な政策パッケージにより世界ナンバーワンの環境・エネルギー大国へ」

「世界二位じゃダメなんですか」というツッコミどころ。「事業仕分け」の後になって形だけの「成長戦略」を泥縄(≒官僚主導)で作るから、こういう愚かなことになる。また、「総合的な政策パッケージ」って何ですか。

「これらの施策を総合的に実施することにより、2020 年までに50 兆円超の環境関連新規市場、140 万人の環境分野の新規雇用・・を目標とする。」

「持続可能な社会保障制度の実現に向けた改革を進めることで、超高齢社会に対応した社会システムを構築し、2020 年までに医療・介護・健康関連サービスの需要に見合った産業育成と雇用の創出により、新規市場約45 兆円、新規雇用約280 万人を目標とする。」

目標は良いが、どのようにしてそのような新規市場、新たな需要、雇用を創出するかが不明。結局、民主党マニフェストにあるような単なるバラマキ政策を志向するのであれば論外。需要重視の単なる所得再分配政策では、国全体の資本(国富)を食い潰すことになる。

需要はそれを賄うことのできる所得(付加価値)があってこそ最終消費支出としてGDPを押し上げる。所得(付加価値)を増大させる政策なくして、所得再分配政策のみでは国全体の総需要は増加しない。

市場を無視した単なる所得再分配政策の欠陥は、旧ソ連の経済政策の失敗を見ても明らかである。

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