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July 17, 2009

民主党の雇用・労働政策について

6月23日に民主党と社民・国民新党が、製造業派遣の原則禁止に合意し、また最低賃金を時給1000円とすることをマニフェストに織り込むことを発表しました。正規雇用を増やし、所得水準の引き上げを意図したことについては理解されますが、同時に大きな課題を抱えていることを指摘しなければなりません。

そもそも製造業の派遣については、産業構造の変化に対して雇用機会を拡大して、労働者の移動を円滑に進めることにあり、イザナギ越えの景気回復に効 果をもたらしてきたのですが、昨年央以来、あまりに輸出依存が大きい日本の産業構造が、世界的な不況の中で、特に大きな打撃を受け、派遣切りの嵐が吹きま くったという結果となっておりました。しかし、日本の景気回復・経済成長の道は、やはり輸出関連産業、製造業の回復にあります。高い技術力と、勤勉で良質 な労働力が競争力を増進させているのです。

ここで、民主党の発想による政策がとられた場合、何が起こるかというと、底入れをした需要・生産が回復をしてきた場合、派遣による弾力的な雇用の拡 大に頼らず、残業等による正規従業員の高率稼動を企業としては選択するはずです。最低賃金の引き上げは正規従業員の場合、殆ど貢献しません。むしろ非正規 社員の圧縮という結果を生むことになります。

確かに安定した雇用が望ましいのですが、変動する経済状況は、弾力的な雇用体制を必要としており、一人でも多くの雇用機会を求める場合、製造業の派 遣についても理解できるのではないかと思います。最低賃金についても、儲かっている所が、良質な従業員を求めて高い賃金で労働力を吸収する一方、需要が激 減、生産水準が極端に落ち込んだ企業がワークシェア、一時帰休等で企業の維持存続=雇用の保全を図るために、一時的に実質的な賃金水準引下げを敢えて耐え るということも有得べしと考えます。

勿論、最低限の生活保障については考えねばなりません。しかしこれは国家で取組み、就労機会のない国民に対しても保障すべき課題であります。国家財 政のバランスを考える必要がないということで、安易に企業へ負担を転嫁することは中長期的な経済の活力を削ぐことになりかねないと懸念します。

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